生産性を求めない日記

生産性を求めず、ただただ思ったことを書いていきます。

カタカナ言葉の生産性(2)

あけましておめでとうございます。

新年はやはりどことなく気分が新しくなり、「今年はこれに挑戦してみようかな」なんていう意欲がどんどんわいてきます。まあ数日しか持たないんですがね。

 

さて、先日書いた記事『カタカナ言葉の生産性』ですが、まさに私の言いたいことをすっぱり表せる文章を発見したのでご紹介いたします。

 

『イシューからはじめよ ―知的生産の「シンプルな本質」』(安宅和人,2010)という本をご存知でしょうか。

業務効率化のための方法論を教えてくれる系の本で、なかなかに人気のある本です。内容に関してもいろいろ思うところはあるのですが、本題ではないので今回は割愛。

 

早速ですが、カタカナ言葉を使いすぎて意味が分からなくなっている部分をご紹介しましょう。

序章の繰り返しになるが、インパクのある方法でイシューに答えを出せればそれは素晴らしいことだ。だが、大切なのは「答えを出せるかどうか」だ。どれほどエレガントアプローチを取ったとしても、それが正しくイシューに答えを出せなければ何のインパクも生み出さない。そして、もうひとつ「スピード」というものがここでは決定的に重要になってくる。この「完成度よりも回転数」「エレガンスよりもスピード」という姿勢を実践することで、最終的に使いものになる、受け手にとって価値のあるアウトプットを軽快に生み出すことができる。(199p)

初めてこの箇所を読んだ時の感想は、 は!? です。

カタカナ言葉使いすぎて意識が成層圏ですね。

 

言いたいことはこの3つ。

  • 「スピード」ぐらいなら共通認識ができているので我慢します。ただし、「エレガント」「アプローチ」「イシュー」って何ですか?(本書の題名にも入っている「イシュー」については何度か説明がありました。ただし、「エレガント」は初出です。)
  • 著者は理解できているからあえてこの単語を使っているのだと思いますが、読者の大半はおそらくエレガンスなんていう言葉を日常の文脈で使っていません。
  • 読者に思いを届けるのが目的のはずの本で、こんなに読者を無視した単語を使ったのはなぜ?

 

ご参考までに英語でのエレガントの意味は下記の通り。

elegant

1 beautiful, attractive, or graceful

2 an idea or a plan that is elegant is very intelligent yet simple

(Longman Dictionary of Comtemporary English Onlineより)

ざっくり訳すと「1 美しく、魅力的、または上品な」「簡潔かつ高度に知的な(考え・計画など)」みたいな感じですね。

 

おそらく安宅さんが伝えたかったことを、私なりに日本語に訳してみると、下記のようになります。

序章の繰り返しになるが、周囲の人が驚くような斬新な方法で重要な問題に答えを出せればそれは素晴らしいことだ。だが、大切なのは「答えを出せるかどうか」だ。どれほど整った手順解決に取り組んだとしても、それが正しく問題に答えを出せなければ何の影響も生み出さない。そして、もうひとつ「早さ」というものがここでは決定的に重要になってくる。この「完成度よりも回転数」「見た目のきれいさよりも答えを出す早さ」という姿勢を実践することで、最終的に使いものになる、受け手にとって価値のある答えを軽快に生み出すことができる。

どこまで安宅さんの意思を汲めているかはわかりませんが、こんなもんでしょう。

間違いなく、日本語を使って説明をした方が多くの読者に伝わります。

 

「IT系」とか「ベンチャー系」、「コンサル系」の人はよく安宅さんのようなカタカナ言葉を多用します。

彼らは、自分たちの知識を自分以外の全員も共有していると思ってそうした言葉を使っているのでしょう。そんなわけあるかアホ、と思ってしまいますね。

まあ私に実害はないのでいいのですが、そうした人を見るたびに他山の石として自分も気を付けようと思います。

 

それでは、またのエレガントなオポチュニティにミーテできるのを楽しみにしています。分かりにくいというか某芸人みたいですね。